2008年03月15日

旧陸軍登戸研究所・・・

明治大学生田キャンパス内に点在する「陸軍登戸研究所」を見学して来ました。正式名称は陸軍「第9技術研究所」なんですが、その研究内容から、正式名称は記録から抹殺されたようです。旧陸軍登戸研究所・・・



これは高さ3~4メートルにもなる「動物慰霊塔」です。普通に考えますと、実験で命を落とした動物を慰霊する為の碑なんですが、それにしてはやけに大きな石碑です。悲しい訳がありました。

ここ登戸研究所員が、戦時下の中国へ出張して、中国人捕虜に対し人体実験をし、悪名高い731部隊=石井部隊に寄与した事をあらわしています。人体実験をしたなどと決して公表できないことなので、この慰霊碑は研究所に勤めていた人でも、なかなか目にできなかったようです・・・

それにしても人命が動物なんて、秘匿事項とは言え異常の何ものでもないです・・・
旧陸軍登戸研究所・・・



大学キャンパス内に2つある、当時の消火栓です。陸軍の星のマークが鮮やかに残っています。現代っ子の大学生はこの消火栓の意味も分からず、タバコの吸殻入れなどにしているそうですよ・・・
旧陸軍登戸研究所・・・

中国の経済にダメージを与えるために、まず香港を陥落させてその造幣局から持ち帰った印刷器械で偽札を作りましたが、その偽札を作っていたと言う、木造の5号棟です・・・中は今では全く使われていないそうです・・・その隣りには同じく木造で今にも倒れそうな26号棟も残っていましたが、完全にお化け屋敷状態でした。
旧陸軍登戸研究所・・・

コンクリートの建物36号棟です。ここでは、アメリカのトウモロコシ、ジャガイモ、小麦などに対する枯葉剤の研究や中国の穀物に対する生物兵器の研究などが行われました。他、風船爆弾に搭載する牛疫ウイルスの研究などが行われていたという事です・・・特に風船爆弾は約1000個がアメリカに飛ばされて、600個位がアメリカに届き、死者も出たという事です・・・何たる無駄なエネルギーを使ったことか・・・
旧陸軍登戸研究所・・・

弾薬庫跡です・・・弾薬庫と言うと大砲の弾とか色々な火薬類の倉庫思われがちですが、ここには、缶詰爆弾やかばん型カメラ・蛇毒入りの注射器・毒入りチョコレート等大変に物騒なものも保管されていたそうです・・・






戦時中、若かりし頃の私の父が、散歩をしている内にこの登戸研究所の近くまで来たら、憲兵に連行されそうになったそうです。父は自分の父親(私の祖父)が海軍の士官だと話してやっと連行を逃れたと笑っていましたが、こんな物騒な研究をしていたのなら憲兵もピリピリするんでしょうね・・・戦争って、膨大なエネルギーや命の無駄遣いなんです・・・そんな事を後世に残すためにこういった戦争遺跡保存は大切な事なのだと思いました。

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Posted by shin344 at 19:59│Comments(0)日記
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